管理組合の会計

管理組合を運営する上で、非常に重要な仕事として会計業務があります。安全で快適なマンション生活を送るには、このおカネに関することを決しておろそかにはできません。
しかしながら「数字は苦手といって」一般の会社員の方でも、会社の会計についてさえあまり知らない方が多いと思います。ましてや管理組合会計などは、管理業者に任せ切りなのではないでしょうか。

ちょっとお堅い話になってしまいますが、会計原則を取り入れることにより、維持管理費用の効率化(最小限の費用で最大の効果)や、不明朗な資金の流出などの不正を防ぐ上でとても重要なのです。

管理組合の会計原則

管理組合の会計は、営利を目的としない公益法人の『公益法人会計』に準拠しますが、会計処理については、不適切な処理が行なわれないよう『企業会計』の一般会計原則がベースとなっています。

<管理組合の会計原則>

1) 予算準拠主義の原則
2) 正規の簿記の原則
3) 明瞭性の原則
4) 継続性の原則
5) 保守主義(安全性)の原則
6) 単一性の原則

予算準拠主義の原則

事業計画に基づいた予算を作成し、その予算と決算との差異を分析することで、予算執行の適否やその責任、事業計画の適合性などを判断します。
予算にはなかった費用が発生した場合、それがなぜ必要だったか。または、予算にはあったが未費消で終わった場合、次年度に繰り越すべきか、それとも不要なものかなどを確認してより整合性の高いものとしていきます。
注意すべき点は、予算を組んだからといって不必要な支出は抑えることです。予算は安全性を考え保守的に組まれますが、まだ耐用できるものをなるべく使用するなど、経費の合理化を図っていきましょう。


目的別会計

『公益法人会計』の特徴として、特定の目的のために、一般会計とは別に特別会計を設けることができます。
マンションの場合、大規模修繕に対する積立金が『資金留保目的』として、一般会計とは区分管理されることになります。また、目的の異なる勘定は相互振替をしないのが原則です。
これは、例えば管理費滞納が発生した際、安易に修繕積立金会計を取り崩して不足分に充ててしまうと、一時的にせよ、今度は積立金会計が目減りすることになってしまいます。こうした資金流用が常習化すると、肝心な業務である滞納の督促がおろそかになりかねません。出納業務の適正化を図るため、目的別会計の順守が重要となってきます。

また、管理組合が収益事業を行う場合は、特別会計を修繕積立金とは別にもうひとつ設定し、区分管理しなければなりません。

会計処理と計算書類

会計処理で注意すべき点として、備品購入があります。企業では一定額以上の備品を購入した際、資産として減価償却を行わなければなりません。これは売上げを産みだす財産として、各年分(耐用年数)の必要経費として配分していくことを目的としてますが、営利目的でない管理組合会計にはなじみません。備品購入は資産として認識せず、支出として単年度で処理するのが一般的です。
但し、備品類を別途管理する必要がありますので、財産目録に加え、備品目録(備品台帳)を作成しましょう。

一般会計の繰越金は、次期に繰り越していくことが一般的ですが、組合員に分配したり、修繕積立の特別会計に振り替える場合は、繰越金(剰余金)処分案を作成しなくてはなりません。

<計算書類>

1) 収支報告書
2) 賃借対照表
3) 財産目録
4) 備品台帳