管理組合の予算

マンションを適正に維持管理をしていくには、事業計画に基づいた予算を作成し運営していくことが重要です。とはいえ現実的には、大規模修繕工事を除けば、年度ごとに大きく異なることはありません。前年度の予算執行状況をもとに、管理業者や区分所有者へのヒアリングを加味して、当年度を作成していくことになるでしょう。

予算は、標準管理規約で定期総会で次年度の収支予算案の承認を得ることとなっています。もし予算を修正する必要が生じた場合は、臨時総会で承認を受けなくてはなりません。

一般会計と特別会計

日常の維持管理を目的とする『一般会計』と、大規模修繕ののための資金を留保(修繕積立金)するための『特別会計』に区分して管理します。

また、管理組合が収益事業を行う場合は、特別会計を修繕積立金とは別にもうひとつ設定し、区分管理しなければなりません。

収入

管理費は、建物の共用部分や敷地および付属施設の維持管理を行うための諸費用に充てる費用として、一般会計の収入となります。
一方、修繕積立金は、周期的かつ計画的に行う大規模な修繕、不足の事態により必要となる修繕や共用部分や敷地の変更等に備える準備金として、特別会計の収入となります。
また、管理費や修繕積立金以外の収入として、駐車場や専用庭、ルーフバルコニーなどの使用料があります。標準管理規約では、修繕積立金として積み立てると定めていますが、実際は、一般会計に参入させて管理費の赤字を防いでいることが見受けられます。管理に要する費用の残金は、修繕積立金へ繰り入れるようにしましょう。

管理費等は、持分割合(専有部分の床面積の割合)によって区分所有者が負担すると区分所有法で規定されています。但し、管理規約で異なる負担割合を決めることは可能です。

管理費・修繕積立金の戸当たりの平均月額をみると、『管理費』が10,990円で『修繕積立金』が10,898円でした。これに駐車場使用料等からの充当額を含めると、それぞれ15,848円、11,877円となっています。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

支出科目

マンション管理の形態に関わらず、支出科目はきちんと区分すべきです。特に管理業者に委託している場合、管理費に清掃費も含まれてしまうケースが見受けられますが、別々に支払うのが通常です。

<管理費支出科目>

1) 管理業務費(管理業務・管理員人件費)
2) 設備管理業務費(保守点検・営繕費・植栽)
3) 清掃業務費
4) 水道光熱費
5) 損害保険料
6) 単一性の原則管理組合運営費
7) その他備品・消耗品費

予算の編成

本来は、会計年度の開始前に予算を確定・承認すべきですが、実際は、会計年度終了2〜3ヶ月後に開催される定期総会で、収支報告と予算が承認されるのが一般的です。

収入については、毎月の管理費・修繕積立金・使用料収入を12倍した金額となります。これに設備使用料・受取利息・その他雑収入が加わります。
支出は、毎期経常的に支出されるものが大半ですから、前年度の予算執行状況をもとに予測をします。その中で、特別な要因で支出された金額を把握しておき、当年度の特別な要因を想定します。方法としては、管理業者に当年度の見積り提出を求めるほか、区分所有者へ改善要望などのアンケートを取るなどして、検討していくことになるでしょう。
ただ実際の作成は、委託している管理業者がすべて行い、それを理事会および総会でそのまま承認することが多いと思います。その場合、役所のように実績&計画ベースの硬直化した予算になりがちです。是非、内容を見直してみてください。