管理業者委託方式

マンションの管理は、区分所有者全員で組織される管理組合が主体となって行います。そして効率的な管理運営をするため、区分所有者から選出された数名の理事が実務を担当していくことになります。
しかし、管理業務の中には専門的知識を要するものが多いにも関わらず、専門知識を持っている区分所有者はほとんど居ません。そこで、多くの管理組合では、管理業務の全部または一部を外部に委託しています。

調査では、マンション管理の一切を管理業者に委託している『全面委託』が最も多く74.9%となっており、定期清掃や法定点検など管理業務の一部を管理業者に委託している『一部委託』と合わせると約9割が管理業者に何らか委託しているといわれています。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

全部委託

管理業務についての意思決定は管理組合が行うが、実際の業務については全て管理会社に委託する形態です。

メリット 日中多くは仕事をしている区分所有者にとって、管理組合理事の手間や負担が少ないことが大きいです。また、管理業者は専門知識を持っているプロフェッショナル集団なので、迅速な対応や質の高いサービスが期待できます。
デメリット 当然、管理委託費が高くつきますし、管理組合による自主的な管理意識が低下するため、区分所有者に知識が身に付かず、ほとんど管理業者のいいなりにされてしまう危険があります。

一部委託

管理組合が、管理業務についての意思決定と実際の業務の一部を行い、必要に応じて管理業務の一部を管理業者に委託する形態です。

メリット 管理組合が直接できることは管理組合がおこなうため、費用が抑えられます。また、できるだけ専門業者に直接委託することにより、委託費用も管理業者マージン分が削減できます。そこまでのコントロールを管理組合側で行うため、当然、ある程度の知識は吸収できますし、管理意識も高まります。
しかも、高い知識が必要な専門的な部分のみ管理業者に委託するため、そのリスクも軽減されます。
デメリット 管理組合で巻き取った分の業務負担が増えます。また、委託先が増えることで、その監督業務や業者間の調整等も行わなければなりません。

管理業者の選定

調査によると、83.3%のほとんどのマンションが、分譲時に決まっていた(主に系列の)管理業者にそのまま管理業務を委託しています。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

区分所有者にとって、マンション管理業務は関心外ということもあり、実際の管理方針から内容に至るまで、最初に決められたまま一切見直しをしていないというケースが少なくありません。
分譲時に決められている管理費には競争原理が働いていませんし、利益相反関係の管理業者が、コスト削減提案をしてくることはまれだと思います。管理組合は、まず管理会社に管理委託費の内訳を明示することから始め、管理内容や金額に対する意識を高めるべきではないでしょうか。