コミュニティの重要性

マンションは共同生活の場でありながら、個々人の生活はそれぞれに独立したものとなっています。このため、居住者の意識も専有部分のみの快適性を求めてしまいがちです。
しかしながら、マンションの特性として共用部分の管理や利用は区分所有者相互の協力で維持され、意思決定されるのです。いくら自分の部屋が快適でも、マンションのエントランスやロビーが汚れていたり、騒音や違法駐車などルールが守られなかったりしたら、決して快適な生活は送れません。ましてや耐震など躯体に問題があれば危険でもあるのです。

調査では、77.7%のマンションで何らかのトラブルが発生しています。特に居住者間のマナーをめぐるトラブルが63.4%と断トツでした。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

以前は、管理組合は共用部分の管理が業務であり、これに専念すればよいとされていましたが、現在では、コミュニティ形成が非常に大切なことであるとされています。

コミュニティ形成は、管理組合の業務

標準管理規約には、管理組合の業務として『コミュニティ形成』が新たな業務として加わりました。なぜ、コミュニティ形成というソフト面が管理組合業務として加わったのか、少し違和感を感じる人も多いのではないでしょうか?
標準管理規約のコメントには、「コミュニティ形成は、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するものであり、マンションの適正管理を主体的に実施する管理組合にとって、必要な業務である」と説いています。しかも、コミュニティにかかわる費用を管理費から支出することを認めているのです。
合意形成を得ていくためには、居住者間でのコミュニケーションがあることが重要であり、これまで自然発生的にはコミュニティが形成されてこなかったため、あえて加えたのだと思います。

コミュニティ形成とクレーム処理

マンション生活におけるクレームの代表的なものとしては、ペット飼育、違反駐車、駐車場・駐輪場運営、集会室などの共用施設の利用、ゴミ出し、騒音などがあります。
これらのすべてがコミュニティ形成によって解決されるわけではありませんが、ただ日頃からコミュニケーションを取っていれば、少なくとも当事者同士での話し合いが積極的になされると思います。コミュニティ形成の良否がクレームの対策と処理に大きくかかわってくるのです。

調査では、『トラブルの処理』を当事者同士で話し合ったのは25.6%と少なく、管理組合内での話し合い(67.2%)や管理業者に相談(45.2%)して解決するケースが多いようです。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

コミュニティ形成の一助としてツールの導入も

マンションの居住者は、当然ながら職業もバラバラのため生活リズムも違います。このため、コミュニティ形成は子供を通してであったり、趣味を通してなど限定的となってしまいがちです。
自然にコミュニティが形成されることは、難しいと思って良いでしょう。

そこでコミュニティ形成するには、草むしりや餅つき大会など、イベントを開催するなどがこれまでの主な手法でした。
但しイベントを常時開催するのは中々大変です。そこで、今後の新たなコミュニティ形成のツールとして、グループウェアの導入が注目されています。メーリングリストだけでなく、イベントカレンダーや掲示板など、便利な機能を多く備えています。有料なものから無料なものまで様々あります。