理事(役員)の選出方法

マンション管理組合が抱える最大の課題が、高齢化・賃貸化の進行と無関心によって生じる『理事(役員)のなり手不足』です。ほとんどの区分所有者は専門知識も経験もないうえ、面倒な仕事を避けたがるため、積極的に組合に関わろうという人はほとんど居ないのが実状です。
調査でも、『理事の選任が困難』という回答が29.6%と、3割もの管理組合で問題となっています。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

しかし、「忙しいから、よく分からないから、あまり関心がないから」といって誰も理事長や理事を引き受けなければ、管理組合は成り立たちません。管理組合がきちんと機能しないと、管理業者に好きなようにされてしまったり、マンションのスラム化といった事態も発生しかねないのです。

輪番(順番)制

マンションを階層別などのグループに分けて、各グループから1名ずつ理事を順番に選出する方法で、最も一般的なやり方です。
これは、できるだけ多くの方が理事を経験し、自分のこととしてマンションの管理を考えるきっかけづくりを行いたいということと、全員が順番で理事になるため、公平だということがあります。
但し、小規模なマンションの場合、グループ分けされた中で賃貸化が進むと、順番が早く回ってくるという不公平な状況になってしまいます。グループ構成に偏りがある場合は、再編するなどの対応が必要となってきます。

抽選(くじ引き)制

抽選で理事を選任するという極めて公平な決め方のようですが、結果として、何回も選ばれてしまう人と、まったく選ばれない人が居るということが起きます。

立候補・推薦制

少数派ではありますが、立候補や推薦によって選任する制度です。
できれば理事をやりたくないと誰もが思っていることでしょうから、立候補する人がいれば、喜んでやってもらいたいと思うはずです。その場合、標準管理規約で『再任は妨げない』となっていることから、万年理事長というケースが多いのではないでしょうか。
自分に理事が回ってこなくてラッキーと安心してもいられません、同じ人が継続して何度も理事に選ばれるのは、問題もあります。特に理事長の場合、権力が集中するだけでなく、管理業者との癒着のリスクもあるのです。できるだけ各戸持ち回りで公平に担当するのが理想的です。

区分所有者以外の理事

本来、管理組合は区分所有者だけで構成され、共用部分の維持・保全・管理を目的とする団体です。このため、管理組合の理事は、マンションに居住している区分所有者が望ましいと考えます。
但し、理事のなり手不足問題もあり、区分所有者以外の方も含めた方が、現実的に管理組合の運営が円滑に行えると思われる場合もあります。特に夫が区分所有者で、役員になってはいるものの実際に理事会に出席しているのは妻だというケースは、多くの管理組合で見受けられます(共有名義であれば問題ありませんが)。その場合は、必ず総会の特別決議で規約を改正してから行わなければなりません。

調査では、区分所有者以外を理事として認めている割合は、『同居親族』が18.8%、『居住してない区分所有者』が14.5%、『賃借人』が2.4%となっています。築年数が古いマンションほど、その割合が高くなる傾向です。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

任期と改選

理事の任期は、調査では『1年』が65.9%、『2年』が30.4%と、1〜2年で設定される組合がほとんどです。
※国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』より

管理業務の継続性を考えると、全理事が一斉に交代するより、半数ごとに改選とした方が良いでしょう。特に2年目を迎える理事から理事長を選任することにすれば、スムーズな運営が図れるのではないでしょうか。この場合、理事の任期は2年間となります。