管理業者の倒産

管理業は、極めて倒産リスクが低い業種です。これは、景気に関係なく管理収入が安定している点と、大きな設備投資が不要で、人件費も管理戸数に応じて計画的に増やしていけるという経営リスクの少ない業態だからです。
このため、管理業者が倒産する理由は、ほとんどの場合本業以外にあります。よくあるのは、大企業では住宅分譲やゴルフ場開発、中小企業では不動産賃貸業や建設業を行うことが多く、不動産不況等によって販売不振に陥り、資金繰りに窮して倒産するというケースです。
また、系列親会社の倒産による業界再編が進んでいます。会社が売却される場合は、事業が継続されるので問題ありませんが、連鎖倒産の可能性も0ではないです。

預金口座

かつて管理費や修繕積立金の預金口座が管理業者名義となっていたため、当該管理業者が倒産した際、銀行に差し押さえられてしまうというトラブルが発生しました。
そこで、平成13年の『マンション管理適正化法』により、管理費・修繕積立金の預金口座を組合名義にすることや、通帳と印鑑を同時に管理業者へ預けないようにするなどの財産を分別管理することが決まったのです。法律に則り運営されている限りでは、大きな問題はありません(横領などは別ですが…)。

但し、口座管理方法によって問題が発生する可能性がありますので、以下を参考にしてください。

1) 87条2項1号(イ)方式 【旧)支払一任代行方式】
・管理費・修繕積立金等を収納口座に収納(通帳・印鑑共に管理業者が保管OK)
・決済後、余剰金を管理組合名義保管口座に1ヶ月以内に振替(印鑑等の保管NG)
・管理業者が返済債務について保証契約をしている場合に限られる
・さまざまな決済を管理業者単体で行えるので手間が掛からない
2) 87条2項1号(ロ)方式 【旧)収納代行方式】
・管理費を収納口座に収納(通帳・印鑑共に管理業者が保管OK)
・決済後、余剰金を管理組合名義保管口座に1ヶ月以内に振替(印鑑等の保管NG)
・修繕積立金等は管理組合名義保管口座に収納(印鑑等の保管NG)
・管理業者が返済債務について保証契約をしている場合に限られる
・イ方式に比べ、修繕積立金等は直接管理組合口座に収納されるため安心
3) 87条2項1号(ハ)方式 【旧)原則方式】
・管理組合名義口座に収納(印鑑等の保管NG)
・イ・ロ方式に比べ、直接管理組合口座に収納されるため安心
・さまざまな決済をするのに管理組合を通す煩わしさがある

管理業務

倒産により委託していた管理業務は基本ストップしますが、管理業者が再委託をしている業務は、再委託先と直接契約を結ぶことで継続することが可能となります。
清掃業務、エレベーターや消防設備点検などの設備管理業務は、管理業者の従業員が行うことは少ないと思われますので、確認をしてみましょう。

アフターサービスについて

アフターサービスについては、管理業者は基本的に何も関係しません。あくまでも売主(デベロッパー)との関係となります。
アフターサービスは約定責任であるため、残念ながら、デベロッパーの倒産により履行されなくなる可能性が大です。その際は、アフター補修義務を施工会社(ゼネコン)に承継してもらうことを交渉するしかないですね。

なお、デベロッパーが法律的に責任を負う瑕疵担保責任は、請負人である施工会社(ゼネコン)に承継してもらえます。また、平成21年10月1日以降の引き渡し物件は、住宅瑕疵担保履行法により、保険や供託によりデベロッパーの倒産をヘッジします。