財産の分別管理

かつて管理費や修繕積立金の預金口座が管理業者名義となっていたため、当該管理業者が倒産した際、銀行に差し押さえられてしまうというトラブルが発生しました。
これは大変なことです。いくら経営が安定している管理業界とはいえ、昨今の100年に1度の不況下では、安心していられません。また実際、昨年10月に九州の管理業者「丸美」が破綻しています。
そこで、平成13年の『マンション管理適正化法』により、管理費・修繕積立金の預金口座を組合名義にすることや、通帳と印鑑を同時に管理業者へ預けないようにするなどの財産を分別管理することが決まったのです。

管理業者名義の預貯金口座禁止の例外

管理費・修繕積立金は、組合名義の預貯金口座で管理しなければならないのが原則となります。これは、管理組合の大切な財産を管理業者に任せきりにしないための措置であるため、通帳・印鑑共に同じく管理組合の管理下にあるべきです。
但し、支払いが発生するたびにいちいち管理組合に決済をしてもらうのは、出納業務が煩雑になるというデメリットがあります。そこで、出納業務の効率化を図るために例外措置が設けられました。
次項で説明する『収納代行方式』です。この場合、マンション区分所有者から徴収するのに管理業者名義口座に一旦収納することになります。詳しくは次項を参考にしてください。

3種類の出納方法

1) 87条2項1号(イ)方式 【旧)支払一任代行方式】
・管理費・修繕積立金等を収納口座に収納(通帳・印鑑共に管理業者が保管OK)
・決済後、余剰金を管理組合名義保管口座に1ヶ月以内に振替(印鑑等の保管NG)
・管理業者が返済債務について保証契約をしている場合に限られる
・さまざまな決済を管理業者単体で行えるので手間が掛からない
2) 87条2項1号(ロ)方式 【旧)収納代行方式】
・管理費を収納口座に収納(通帳・印鑑共に管理業者が保管OK)
・決済後、余剰金を管理組合名義保管口座に1ヶ月以内に振替(印鑑等の保管NG)
・修繕積立金等は管理組合名義保管口座に収納(印鑑等の保管NG)
・管理業者が返済債務について保証契約をしている場合に限られる
・イ方式に比べ、修繕積立金等は直接管理組合口座に収納されるため安心
3) 87条2項1号(ハ)方式 【旧)原則方式】
・管理組合名義口座に収納(印鑑等の保管NG)
・イ・ロ方式に比べ、直接管理組合口座に収納されるため安心
・さまざまな決済をするのに管理組合を通す煩わしさがある

大切な財産を管理する上で、煩わしい面があるものの、管理組合としてリスクの少ない『(ハ)方式』をできるだけ採用すべきでしょう。

有価証券

管理業者は、国債やMMF、積立型マンション保険などの証券を管理組合から委託を受けて管理することができます。
その際管理業者は、有価証券の保管場所を、自己の有価証券や他の管理組合の有価証券などと混在させることのないよう、明確に区別して管理することとなっています。