管理業者研究

マンション管理は単に日常の清掃をするだけでなく、資産価値の維持向上、また快適なマンションライフを送るため、様々なケアが必要です。ただ管理主体である管理組合は基本的に素人集団であるため、管理業者に専門的な知識や経験を元にアドバイスしてもらうことを求めます。
両者の関係がうまくいっていれば何の問題もありませんが、現状は、マンションの管理に係わるトラブルは絶えず、行政も苦慮しています。適正化法によって、極端な悪質業者は確かに少なくなったようですが、実体はあまり変化が無いようにも感じられます。逆に何処の管理業者も画一的で、そのマンションに合った最適な管理はされていないように見受けられます。

それでは、どの管理業者が良いのでしょうか?

正直、管理業者の明確な選定基準はありません。正確にいうと選定の目安となるチェックポイントはありますが、選択した会社がベストかどうかはわからないのです。これは、会社としての問題もさることながら、管理人やフロントマンといわれる担当者の資質に大きく影響を受けるからです。
何より区分所有者の意識が高く、管理組合活動が活発で様々な問題提起をしていれば、管理業者側もしっかり対応するのではないでしょうか。
区分所有者に関心がなく丸投げ状態であれば、黙っていて改善されるということはないでしょう。

マンション管理業者登録数

平成13年の『マンション管理適正化法』により、マンション管理業を営むものは、国土交通省に備える『マンション管理業者登録簿』に登録することになり、登録数は全国で2,391者(平成23年3月末現在)となっています。
これはあくまで登録者数で、実際に管理を受託していない業者がかなり含まれています。

社)高層住宅管理業協会 会員社数

マンション管理業者の業務の改善向上を図ることを目的とした『社団法人高層住宅管理業協会』の登録数は、正会員397社、賛助会員1社です。
協会会員が管理している物件は、平成20年3月末時点の調査で76,977組合、94,056棟、4,687,165戸を受託しているとなっていますので、平成19年末のストックマンション528万戸のなんと約9割(88.8%)をカバーしていることになります。
これは、管理業者のリプレイスの際、協会加入業者に集中したことと、非加盟業者の加入が増加したことがあげられます。

協会会員が経営破綻により管理組合に金銭的被害が発生した場合、管理費や修繕積立金を保証する『管理費等保証制度』があります。但し任意の制度となっており、平成19年10月1日現在、381社(90.9%)が加入しています。

国土交通省の全国一斉立入検査

国土交通省は2011年10月よりマンション管理業者への全国一斉立入検査を実施しました。同検査は、各登録業者が適正化法に則り適正にマンション管理業を運用しているか、マンション管理業者の事務所等へ直接立入り検査するものです。
今回は全国148社に対して立入り、うち73社に対して業務に関する是正指導を行なったとのことです。指導を内容は、重要事項説明書などへの記載事項の不備や契約成立時の書面の未交付など主要事務にかかわる事項が多く見受けられました。
全般的な傾向として、昨年度より違反者は若干減少しましたが、相変わらずの違反者数です。平成21年5月の省令改正への対応に不十分な事例が多かったようです。

分譲会社系と独立系

分譲時はほとんどが売主系列の管理業者になっています。これを『分譲会社系(デベロッパー系)』といい、事業主を親会社に持たない管理業者を『独立系』と呼ばれています。
親会社からの供給に頼る分譲会社系の管理業者に比べ、独立系は管理を受注するために自らの営業しなければなりません。つまり、管理を受託するために同業他社より高品質・低価格といったセールスポイントが必要なのです。

それでは、独立系の方が絶対に低価格かというと、一概には言い切れません。それは、分譲会社系でも競合見積りで参入する場合は、当然、それなりの価格を提示してきます。
つまり、分譲時のまま管理組合が何も要求しない場合が、一番高いといってよいでしょう。

管理業者のチェックポイント

どの管理会社が良いのかは、会社の規模や管理戸数だけで計れるものではありません。大手だから良いということはありません。下記のポイントを参考に、どの管理会社が良いのか見極める努力が必要となります。

1) 経営安全度(経常利益、自己資本比率)
2) 管理戸数
3) 管理業務主任者等の有資格者の数(割合)
4) 緊急時の連絡体制、緊急センターの有無
5) 事務管理報告の頻度
6) 会計の透明性
7) 滞納者対策
8) 管理組合専用の経理ソフトを使用
9) 独自点検マニュアル
10) 業者登録の有無(要登録義務)

週刊ダイヤモンドでは毎年「大手管理会社実力ランキング」が掲載されます。参考にするのもよいでしょう。