建物の劣化診断

大規模修繕工事は、高額な費用が掛かりますし、工事期間中は生活にもさまざまな支障をきたします。修繕プロジェクトが円滑に進むためには、多様な価値観の区分所有者が修繕の必要性について十分理解し、自発的に合意形成することが重要です。
そのためには、公正な専門家(パートナー)が建物についての調査診断を行い、どこがどのように傷んでいて直す必要があるのか、修繕にはどんな方法でいくら位の費用がかかるかと言った点を理解することが必要です。

劣化診断には、長期修繕計画を作成するために行うものと、大規模修繕工事等の実施のために行うものの2つがあります。
診断項目等は基本的に同じですが、長期修繕計画用は長期にわたる概ねの改修案を策定するのが目的で、大規模修繕工事用は実施に向けての工事内容と時期を確定するためのものであり、診断の精度等が異なります。
その他に、瑕疵を確認するために建物診断を行う場合があります。

予備調査

最適な診断方法を検討するための予備診断です。
現地調査を行い、マンションの状況を実地に確認した上で設計図書、過去の診断、補修の記録なども調査し、『診断計画書』を作成します。

本調査

できるだけ正確な情報を得るために、詳細かつ広範な調査をすることが望まれますが、一般的には経済性を考慮して、簡便な調査からスタートし、判断がつかない場合に、さらに詳細な調査へと段階を踏んで進められます。これらの過程を1次診断、2次診断、3次診断と呼んでいます。
本調査の結果は、『診断結果報告書』としてまとめます。

建物診断業者選び

建物診断(劣化診断)を依頼する業者は、以下の理由から、信頼できる第三者の専門家(建築士や設計事務所、民間診断業者、NPO)に依頼するのがベストです。

1) 管理会社やデベロッパーに依頼するのは避ける 建物診断で深刻な不具合が見つかった場合、そのマンションのデベロッパーの関連業者だと、その事実を隠されたり過小評価されるリスクがあります。
2) 修繕を請け負う施工業者に診断を依頼するのは避ける 施工業者と診断業者が同じだと、高い工事を請け負いたいがために、不具合を過大に評価して診断する可能性があります。