エレベーター保守点検

エレベーターは年に1回の検査、法定点検をすることが定められています(建築基準法) 。また法定点検以外に、一般的には通常1ヶ月〜3ヶ月に1回の割合で点検を行っています。
エレベータの保守契約費は、管理費に占める割合が高く、この費用を抑えることがコストダウンに大きく貢献しますが、金額だけで判断できない面もあります。決して安かろう悪かろうではありませんが、安全に直結することなので、技術面も含んだ総合判断が必要でしょう。
最近起きたエレベーター事故では、シンドラー社(エレベーターが動き出し床と天井に挟まれ死亡した事件)、日立製作所(ワイヤーロープ一部破断)、オーチス社(六本木ヒルズで起きたワイヤロープ破損や伸びによる火事)など、記憶に新しいものばかりです。

エレベーターの耐用年数は25〜30年(税法上の耐用年数は17年)となっています。長く使用する重要な共有設備として、メンテナンスのサービス内容をきちんと見極め、しっかり管理することが安全で快適なマンション生活に欠かせません。

エレベーターの構造

エレベーターの構造は、主に以下の2つに大別されます。

1) ロープ式 エレベーターをロープで移動させる形式です。機械室が最上階にあるのが一般的ですが、最近では、巻上機器(動力源)をエレベーターの頂部(または底部)に設置することで、機械室を設けないタイプが主流となっています。これは、機械室が不要になることで、設計の自由度がアップするのと、機械室の建築費が削減されるというメリットがあります。
2) 油圧式 エレベーターを油圧ジャッキを上下させることによって移動させる形式です。機械室が最下階にあるのが一般的です。

POG(パーツ・オイル・グリース)契約

消耗部品付契約のことで、定期点検や管理仕様範囲内の消耗品の交換は含まれますが、それ以外の部品の取替え・修理は含まれておらず別途費用が掛かります。
したがって、保守契約費はフルメンテナンス契約と比べて割安となりますが、高額部品などの契約外の修理・交換については、別途予算を計上しておく必要があります。

フルメンテナンス契約(FM契約)

昇降機機器の部品取替え、機器の修理を状況に合わせて行う内容の契約のことで、大規模な修理を含んでいるため、月々の保守契約料が割高になります。またフルメンテといっても、扉や内装の塗装、床材の修理、新しい機能の追加などは含まれません。
F.M.契約を選択したほうが、安心感が得られますが、料金面だけを見れば、当然高くなってしまいます。
また、築年数が15年程度以上経過した建物ではこの契約が結べないなどの制約があるケースがあります。

メーカー系と独立系業者

メンテナンス業者にはメーカー系と独立系の2種類があり、当然メーカー系に比べ独立系の方が保守契約料は安価です。
以前は独立系メンテナンス業者に対し、メーカーが部品提供を遅らせるなどと独占禁止法に抵触する問題が起こったこともよくあったと聞きますが、独占禁止法に抵触すると裁判で勝訴したこともあり、現在はそのようなことはなくなったようです。もちろん費用だけでなく、サービス内容をきちんと見極める必要がありますが…。
メーカー系と独立系会社の価格差は物件によって変わりますが、ほとんどの場合2割以上はあると思われます。既存の保守契約料が高止まりをしていることから考えると、見直しによるコストダウンは大きいといえそうです。事実、低価格を武器に独立系業者がメーカー系業者のシェアを奪っているようです。