大規模修繕工事の業者選び

劣化診断の結果により工事内容がはっきりしたら、施工をする業者を決めることになります。施工業者の選定は、管理組合にとって最も重要な作業となります。修繕工事が成功するかどうかは、業者選びに掛かっているのです。
大規模修繕工事は何千万円、何億円という非常に高額な費用が掛かります。少しでも費用を抑えたいのは当然ですが、「安かろう悪かろう」では何の意味もありません。あくまで適正な修繕によりマンションが再生することが目的なのです。

また、施工業者の選定は、高額な発注額となるため、どの方法を取りどの会社を選択するにしても、区分所有者の納得性が重要です。業者選定のプロセスは、透明性を強く意識して行うようにしましょう。

施工業者の選定方法

1) 入札方式 入札希望者を公募または指名して競争入札を行う方法です。原則として最低価格の会社との契約となります。
2) 見積り合わせ方式 特定の数社を指名して、工事費とともに工事内容などについても合わせて提案してもらい、その内容を検討して最も適当と判断される施工業者を選定する方法です。
3) 随意契約方式(指名方式) 特定の1社を指名して見積書を提出してもらい、その内容を検討・協議の上、選定する方法です。

施工業者のリストアップ

1) 区分所有者の推薦 区分所有者の中に業界関係者が居る場合や、周辺マンションの評判などから推薦をしてもらいます。これは区分所有者の納得を得るためにも、必ず取り入れるべきです。
2) 公募 インターネットや業界紙などで広く公募します。手間は掛かりますが、価格競争力のある業者が参加してくる可能性が高いと思われます。
3) 外部専門家(パートナー)からの紹介 経験豊富なパートナーの意見は貴重で、効率的な方法ですが、透明性の確保という観点から、これのみは避けるべきでしょう。
4) マンション施工会社(ゼネコン) 自ら建設したものであり、そのマンションの構造・仕様に最も精通していると考えられます。
5) マンション管理業者(工事部門) 日常の保守点検業務、経常的小修繕工事等を通じてそのマンションを継続的に管理しているので、相応にそのマンションの状態を熟知していると考えられます。

施工業者の種類

1) 総合建設業者(ゼネコン系) 人材面、技術面など組織としての能力は高いと考えられますが、作業は下請け業者に任せるため、教育、監督能力、現場監督の力量が問われます。
2) 専門工事業者(○○塗装、○○防水など) 専門としている分野の工事についての技術力は高いと考えられるため、修繕の目的や範囲によっては有効でしょう。
3) マンション管理業者(工事部門) 日常の保守点検業務、経常的小修繕工事等を通じてそのマンションを継続的に管理しているので、相応にそのマンションの状態を熟知していると考えられます。

施工業者の選考

施工業者の選考は、決定までの経過が透明(ガラス張り)でなくてはなりません。選定経緯はすべて公表できるようにし、区分所有者の理解を十分得ましょう。

まずは、リストアップされた会社の情報を入手します。情報は、会社概要、財務内容、経営状況、大規模修繕実績、他マンションの評判などがあります。書類選考を行い、数社に絞り込んでいきますが、評価方法は、外部専門家(パートナー)にアドバイスを受けるとよいでしょう。
次に、書類選考に残った数社に見積もりを依頼します。比較検討ができるよう、見積要項書・設計図書を渡すことで、同一条件のもとでの積算が重要です。依頼時には施工業者にマンションに来てもらい、現場説明会を行えば現場の理解も深められ、またその場で質疑応答なども行え、一石二鳥です。
見積りがアップされた時点で、仕様や数量が正しいか、項目抜けがないかなどを確認し、3社程度に絞って最終的な選考(面接)を実施します。

選定基準は、競争原理を働かせるものの、見積り金額だけでなく、工事監理体制やアフターサービス体制が充実しているかどうかもチェックすることが必要です。
それ以外にも取り組み姿勢、現場代理人の資質、経営の健全性、大規模修繕工事の施工実績など総合的に判断しましょう。