太陽光発電

これまで、日本のお家芸であった太陽光発電は、普及率でドイツに抜かれてしまいました。04年度まで導入量も生産量も世界のトップであったのに、05年度末で補助金制度を終了した影響で設置戸数が減少に転じてしまったのです。しかし、ここにきてようやく「低炭素社会」の実現に向け、太陽光発電の普及に対して動きが見られるようになってきました。
経産省は09年1月に補助金制度を再開し、10年度以降、家庭で発電して余った電力を今までの2倍で電力会社が買い取る制度(期間は10年間)を審議中で、前倒しのスタートも検討されているようです。

これらの動きにより、太陽光発電の普及が一気に進みそうですが、実はこれらの施策の対象は、一戸建て住宅のみなのです。なぜ、マンションには太陽光発電システムが普及されないのでしょうか?

マンションに太陽光発電が普及しない理由

日本では家庭向けの電力自由化が実施されておらず、各家庭に電気を供給できるのは、太陽光などの自家発電を除けば、電力会社だけとなっています。
つまり、マンション管理組合が太陽光発電設備を導入し、それから各住戸に電力供給するのは、発電事業と見なされてしまい出来ないようです。なので現状でマンションに導入する場合、太陽光パネルを住戸ごとに持分がきちんと分け、送電系統や余った電気を電力会社に売るための電力量計なども、すべて住戸ごとに設置する必要があります。
もちろん、共用施設の電力のみに使用し、余剰電力は各住戸に供給せず、すべて電力会社に買い取ってもらえば問題はありません。でも、これでは集合住宅のメリットはなく、普及するはずもないですね。

ベランダ用太陽光発電システム

マンション全体での導入が難しいならと生まれたのが、各住戸のベランダに設置するタイプの太陽光発電システムです。
但し、設置場所が限られるため大規模なものはなく、発電能力も家庭全体を賄えるものはありません。各メーカーは、日々の研究を行っているようですので、今後の開発に期待したいところです。

低炭素社会実現に向けた社会的な役割

マンションは528万戸に達し、国民の1割を超える重要な居住形態というだけでなく、社会の重要なインフラでもあります。低炭素社会実現に向け待ったなしの状況の中、このインフラをまった活用できないのが現状です。
その原因となっているが、家庭向け電力『低圧電灯』分野の自由化問題です。既に産業用の『特別高圧』と『高圧』分野は順次自由化されました。2007年に検討されるも見送られた経緯がありますが、是非、早急な検討再開をしてもらいたいものです。

マンションの太陽光発電システム導入が促進されることは、マンション居住者のメリットだけでなく、夏季ピークとなる電力の安定的な供給のためにも、社会的ニーズとして考えたいものです。