修繕積立金不足の補填方法

マンション購入当初は金銭的な余裕が少ないということと、デベロッパーが販売を優先したいという思惑から、ほとんどのマンションで非常に低い修繕積立金になっています。また、マンションの経年に伴い元々の計画より工事費用が膨らみ、積立金の資金不足が予想されることも多くあります。
そのような場合、管理組合にてその不足額を補うことになります。建物のメンテナンスが不十分となれば、安心してマンションで暮らすことはできません。手遅れになる前に、早期に対応することが肝心です。

それでは、資金確保策としてどのような方法があるのでしょうか。以下、考えられる方策をあげてみます。また以下の方策は、単独でなく各種組み合わせることによって、いろいろなバリエーションが考えられます。

修繕積立金を増額する

不足分を算出し、修繕積立金を増額するという、最も一般的な方法です。
25年以上の計画期間ということは、2回以上の大規模修繕工事が想定されます(実行は別)。すべての費用を算出した上で、一気に増額するやり方と、段階的に増額するやり方があります。
気をつけるべき点は、キャッシュフローという概念です。時期によっては、増額することで総額は足りても、間近に迫った修繕費が足りなくなるという場合があります。

工事実施年度にあわせて一時金を徴収する

不足分を算出し、一時金として徴収する方法です。
少額であればさほど問題はないですが、高額になると修繕工事ぎりぎりになって徴収できないなどリスクがあります。また、売買による新区分所有者が、一時金徴収の説明を受けてないなど、トラブルになる可能性もあります。

駐車場など、その他専用使用料を増額する

駐車場使用料が周辺相場とかけ離れている場合に増額したり、駐輪場やバイク置き場が無料となっている場合、有料化することなどが考えられます。
但し、区分所有者全員に平等に負担を強いるわけではないので、合意を得ることが比較的難しいです。

駐車場など、その他専用使用料を積立金会計へまわす

駐車場使用料や専用庭・ルーフバルコニーなどの利用料収入を管理費会計に充当している場合、積立金会計へ振り替えることで不足分を補います。

これは標準管理規約で、日常的な管理費用以外は修繕積立金として積立てるとしていながら、そのようにしていない管理組合が多いためです。
振り替えにより管理費が不足する場合、管理費を値上げするか削減することをしなければなりません。

金融機関から融資を受ける

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)に『マンション共用部分リフォーム融資』という制度があります。
一定の条件を満たした管理組合に対し、1戸あたり150万円×戸数を限度として総工事費用の80%までの融資が受けられます。融資期間は1年から10年以内で借り入れ時の金利(2.32%、平成21年5月12日以降)で固定で、担保は不要ですが、(財)マンション管理センターの保証を付ける必要があります(保証料別途)。

※自治体によっては金利の一部を助成する制度があります

管理費を抑え、浮いた分を積立金会計へまわす

積極的に管理費を抑制し、その分を積立金会計にまわすことで補うやり方です。
管理費は、マンション購入当初にデベロッパーが決めています。管理業者が系列である場合が多く、管理費は高止まりしている傾向にあります(積立金が低額ですが)。このため費用削減策として、単純な値下げ交渉から管理業者のリプレイス、管理形態や内容の見直しなど、やりようはいろいろあります。

駐車場の増設や屋上広告の設置など収入を増やす

管理組合の収入を増やすというのは、考え方としてはありますが実現性は低いと思われます。
平置き駐車場を立体駐車場にしたり、屋上に広告塔を設置するなど、収入増の可能性はありますが、設備費用や保守費用が掛かるなど収支のバランスをみる必要があります。まして、利用者が居なかった場合、費用だけが掛かるというリスクもあります。
収入増の方策は、よほど収益が見込めるか、設備投資の必要にないものがよいでしょう。

また忘れてはならないのが、管理組合が収益事業(屋上広告や自動販売機設置など)を行う場合は、収益事業による会計を管理費や修繕積立金と区分し、特別会計として区分経理するなど、手間も掛かるということです。