給水設備点検

人間が生きていく上で大切なものに空気と水があります。
マンションにおける給水設備の最も重要な役割は、安全かつ良質な水を適切に供給することです。過去、クリプトスポリジ ウムという病原菌の発生により、集団感染した事故例がありました。給水設備は、円滑な機能の維持だけでなく、衛生面においても適切な管理が不可欠です。

給水には、主に5つの方式があり、給水方式により点検内容が異なります。また点検頻度は、年4回程度が一般的です。

水道の分類

水道とは、導管(水を導くパイプ)とその他の水を供給する施設全体をいいます。マンションで関係してくるのは、以下の2つです。

1) 専用水道 定義: 100人超の居住者に供給、または1日最大給水量20立法メートル超
管理: 水道技術管理者の設置、水質検査月1回、消毒検査毎日
2) 簡易専用水道 定義: 受水槽の有効容量の合計が10立法メートル超
管理: 水質検査年1回、水槽掃除年1回

ほとんどのマンションでは、上記の規制にはかかりませんが、貯水槽は大切な設備です。簡易専用水道に準じた管理を行うことが必要です。

給水方式の種類

マンションの各住戸に水を供給するには、上層階で水道の水圧が不足します。このため、以下の方式によって配水しています。

1) 水道直結方式 受水槽を必要とせず、水道本管より直接給水する方式です。本管圧力の問題で、通常地上2〜3階程度の高さまでしか採用できませんが、停電による断水の心配がなく、衛生的であるというメリットがあります。
2) 高置水槽方式(重力方式) 水道本管から一度受水槽に貯水し、揚水ポンプによって屋上などの高置水槽へ揚水し、重力によって給水する方式です。各階の水圧変動が少なく、断水時の影響が少ない(残留水)というメリットがあります。
3) 圧力タンク方式 水道本管から一度受水槽に貯水し、加圧ポンプで圧力タンクに給水、そこから各住戸に給水する方式です。重力を用いて給水することが困難な低層建物で利用されますが、安定した水圧が得られないというデメリットがあります。
4) ポンプ直送方式 水道本管から一度受水槽に貯水し、そこから加圧ポンプによって直接給水する方式です。圧力タンク・高置水槽が不要となります。
5) 増圧直結給水方式 水道本管からポンプを通じて直接給水する方式です。受水槽・圧力タンク・高置水槽が不要なため、場所を取らず費用も安くすむというメリットがありますが、大規模マンションでは採用できません。

給水設備点検

給水設備は衛生面だけでなく、きちんと24時間稼動することがとても大切です。設備点検は、各種機器の作動状態や損傷、劣化状況などを点検していきます。

貯水槽清掃と水質検査

水槽には、受水槽と高置(架)水槽があります(給水方式により異なる)。
水道水の色に濁りがないか、受水槽や高置水槽のフタがしっかり固定され外部から異物が入らないようになっているか、水槽に異常はないかなどについて点検をします。 また、清掃時には残留塩素濃度の検査、色濁度の検査も行います。
加えて年に1回、水質検査とポンプなど水槽に付随する機器の検査を行ない、その結果を保健所へ報告します。

給水設備の修繕

給水設備は定期点検・清掃を行っていても、経年劣化は避けられません。貯水槽、給水ポンプ、屋外や屋内給水管、各戸量水器などさまざまな機器で構成され、それぞれ時期がくれば、更生工事や交換の必要が出てきます。

給水管は、築年数を重ねると詰まったり、管内のサビによる赤水が出る場合があります。そこで給水管内のサビを落として塗装する管更生工事(ライニング)を行います。傷みがひどければ交換します。