管理費

マンションの管理費は、日常の清掃や点検、設備の交換、管理会社の報酬などに使われるお金です。その金額は、新築分譲時に既に決まっていますが、果たして何を基準に金額が設定されているのでしょうか?
通常は、実際に管理に掛かる費用にプラスして、管理業者の利益を乗せた額(一定額)となっていて、その総額を持分(専有面積比率)に応じて各区分所有者が負担しているものと考えがちです。
しかしながら、実態はコストからの積算ではなく、分譲価格に影響を受けているようです。大規模物件だからといって、戸当りの管理費は安くなっておらず、戸数によるスケールメリットがありません。これでは、購入者の支払能力に合わせて管理費を決めているとしか思えません。本来は、受けるサービスに見合った管理費であるべきなのにです。

2005年マンション管理費等調査-「東京カンテイ」

首都圏のマンションのランニング・コスト(管理費+修繕積立金)は、エリアにかかわらず分譲価格に比例して決まっています。
年間の負担額は、マンション価格の0.6%前後で、住宅ローン最長期間の35年での負担額は物件価格の20%、仮にマンションの寿命が50年とすると、その負担額は物件価格の30%にもなるのです。

2006年マンション管理費調査-「不動産経済研究所」

首都圏のマンションの1m2当り管理費は、見事に分譲価格に比例した結果となりました。もちろん分譲価格が高いマンションは、共用施設やサービスなどが充実しコストが嵩むものと思われますが、それだけでは3.5倍の差は説明つきません。

・分譲価格:〜 39.99万円/m2  →  管理費:163.81円/m2
・分譲価格:〜 49.99万円/m2  →  管理費:170.35円/m2
・分譲価格:〜 59.99万円/m2  →  管理費:186.35円/m2
・分譲価格:〜 69.99万円/m2  →  管理費:188.20円/m2
・分譲価格:〜 79.99万円/m2  →  管理費:210.00円/m2
・分譲価格:〜 89.99万円/m2  →  管理費:228.57円/m2
・分譲価格:〜 99.99万円/m2  →  管理費:260.92円/m2
・分譲価格:〜149.99万円/m2  →  管理費:305.33円/m2
・分譲価格:〜199.99万円/m2  →  管理費:409.83円/m2
・分譲価格:200.00万円〜/m2  →  管理費:568.58円/m2

管理費の内訳

マンション管理業者に全部委託している場合、管理費の内訳を明示しないケースがあるようです。必ず明細を提示してもらい、作業科目ごとに費用を理解することが大事です。それにより、再委託業務のマージン是正や、コストパフォーマンスからみた管理内容の見直しも可能になるのです。
以下、主な管理費支出科目です。

1) 管理業務費(事務管理・管理員人件費・緊急対応・管理報酬)
2) 設備管理業務費(保守点検・営繕費・植栽)
3) 清掃業務費
4) 水道光熱費
5) 損害保険料
6) 管理組合運営費
6) その他備品・消耗品費

駐車場や専有使用料の会計算入

また、管理費や修繕積立金以外の収入として、駐車場や専用庭、ルーフバルコニーなどの使用料があります。標準管理規約では、修繕積立金として積み立てると定めていますが、実際は、管理費会計に算入させて管理費の赤字を防いでいることが見受けられます。
本来は、立体駐車場など、設備管理に費用が掛かる場合、その費用のみを管理費会計とし、残金は修繕積立金へ繰り入れるべきです。それで、管理費が足りなくなるのであれば、金額をあげるか、管理内容を見直し費用内に納めるかするのが正当なやり方です。

管理業者のリプレイス事情

管理組合から「管理費削減要求」をきっかけとし、管理業者変更の声が強まり、リプレイスとなる動きが活発化しています。これは、マンション管理士事務所などによる「管理費削減コンサルティング」や、独立系管理業者による「管理組合営業」によるところが大きいです。
管理費削減の成功事例を見てみると、管理内容の見直しや値下げ交渉をするより、やはり、リプレイスをする方が圧倒的に下がっているみたいで、3割〜5割ぐらいの削減に成功しています。
背景には、不況による居住者の可処分所得の減少という切実な問題もありますが、分譲会社系の管理業者だから安心だと思っていたのが、不動産業界の再編で他社へ売却されるなど、M&Aが横行していることもあげられます。