隣接地の建物建設

快適に生活していたマンションの隣接地に突然、マンションが建設される計画が浮上し、しかも、今流行のタワーマンションなんかであれば、いろんな面で、生活が脅かされないか非常に心配になります。そのような時、管理組合として何ができるのか考えてみましょう。

基本的にマンション建設計画が、建築基準法や建築協定などの各種法令を遵守しているものであれば、計画自体を中止させることは難しいと考えられます。但し、生活妨害を主張することで、一部の計画変更や損害賠償が求めることができます。
マンション建設の『建築確認』申請後に、周辺住民への説明会が開催されることがほとんどです。管理組合として参加し、計画内容を確認した上で、対応方法を検討することになります。

日照権

建築基準法では、おおざっぱにいうと住居地域であれば(商業地域・工業地域・工業専用地域は対象外)、北側の日影時間の規制がされています。その他、建築物の高さによってなど、細かい規制があります。

規制区域の判定基準は、冬至の8時から16時までの8時間でどれだけ日影になるかで判断されます。仮に日当たりがゼロとなれば法規制の有無を問わず受忍限度を超えたものとされます。この場合、損害賠償請求や差止請求をすることができます。

景観価値

たとえ法令に抵触していなくても、高層マンションにより日頃見慣れた街並みが失われるという理由で、住民側が勝訴したケースがあります。それが「国立マンション訴訟問題」です。
以下のような要件が侵害され、受忍限度を超えると保護の対象とされます。

1) 一般に眺望するだけの価値のあること
2) 当該場所の価値が眺望によること
3) 眺望を保つことが周辺土地の利用とマッチングすること
4) 眺望を楽しむ者がその土地に権利をもっていること

騒音

建築工事から発する騒音については、公害防止条例や環境確保条例などにより、細かく規制されています。
規制をオーバーしているような時は、騒音を測定してもらい、工事の差止請求や慰謝料請求が考えられます。但し、差止は違法性が大きい場合に限られたり、慰謝料もそう多額になることはないのが現状です。
このため現実的には、工事の前に、夜間、早朝、休日の工事の禁止又は制限、防音措置の実施について協定を結ぶことになります。

建物への影響

マンション工事の基礎工事に当たっては、建設重機が使用されます。このため、工事による振動で地盤沈下し、既存建物が傾いたりするというケースも考えられます。但し、工事が終わって建物等に亀裂が見つかったとしても、後からでは、工事による因果関係を証明することは難しくなります。
そこで、予め家屋調査を実施するか、双方立会いの下に工事前に写真を撮っておくなどの措置をしておくと良いでしょう。また、万一工事による地盤沈下があったら施主側が補修工事等の責任を持つ旨を、協定に入れておくことをおすすめします。