ペット飼育ルールの作成

『ペット飼育問題』は、飼育を禁止しているマンションでだけでなく、実は飼育可マンションでより多く発生しています。
マナー違反など、指摘することなく黙認してしまっていると不満が溜まり、何かのきっかけで問題がより大きくなってしまいます。それは、きちんとした飼育ルールがなく、常識に委ねているのが問題なのです。居住者が不快にならずにきちんと運用するには、明確な飼育ルールが欠かせません。

また最近では、「ペット禁止!」といっているだけでは解決しないため、飼育を認める代わりに厳しいルール(細則)をつくるという動きもあります。仮にルール違反したら、飼育をあきらめる旨の誓約書を提出させるなどして、ペット反対派の了解が得ているようです。
禁止したまま隠れて飼われるより、厳格にルールを守ってもらう方が、全員の利害に合うという考えです。

アンケートの実施

ペット飼育ルールを決める上で、必ず行いたいのが実態や意向を把握するためのアンケート調査です。現状をすべて追認するということではありませんが、現状をまるで無視したルールでは、新たなトラブルとなります。
またアンケート作成の際、飼育反対派や飼育容認派の意識操作(誘導質問)がされないよう、中立的な立場の人か、第三者に作成してもらうことをおすすめします。

ペット飼育の方向性を確認

実態調査や意向アンケートを元に、管理組合としてペット飼育をどうするのか方向性を決める必要があります。
考え方として、以下の4通りがあります。

1) ペット飼育の全面禁止
2) 一代限りにつき許可
3) 制限付きで許可
4) 無条件で許可

1)の場合、これまで黙認されていた隠れ飼育者をどうするかという問題が残ります。期限を設けて何らかの処置をしてもらう必要があります。それが困難であれば、2)の選択となります。
ペット飼育を容認する場合、4)は居住者の常識に委ねることになり、さまざまな問題が発生する恐れがありますので、3)の制限を設けるべきでしょう。

ペット飼育委員会

ペット飼育を容認する際、専門委員会としてペットを飼育したいと思っている区分所有者がメンバーとなって『ペット飼育委員会』を設置し、詳細ルールを検討するケースが多いようです。
これはペット飼育者が、ペットを飼っていない人に迷惑をかけないようにすることが基本だからです。また、ペットを飼っていない人がルール作りに労力を掛けるのは、気持ち的にも納得性がないからです。

ペット飼育細則

財)マンション管理センターが作成した使用細則のモデル(中高層共同住宅使用細則)に『ペット使用細則』がありますので、参考にすると良いでしょう。
以下の事項を規定しています。

1) 飼育できる動物(種類・大きさ・頭数)・禁止動物
2) 飼育の届出(提出書類)・審査・承認
3) 飼育の明示義務
4) 健康診断・予防接種義務(報告義務)
5) 遵守事項(飼育場所・方法)
6) 飼育動物の虐待防止
7) 飼育による損害賠償責任
8) 違反に対する措置等(禁止)
9) 死亡した場合の措置

ペットクラブ創設

ペットを飼う人と飼わない人との円滑な関係を目指すための組織として『ペットクラブ』(ペット飼育者組織)を設置し、参加することを条件としている管理組合もあります。
主な役割は、ペット飼育に関する情報交換、飼育者に対する監督、指導、トラブルが起こった場合の調査、解決などです。このような組織があると、飼育者の意識も高まり、他の居住者と良好な関係が保てる可能性が高くなるようです。
ペット飼育にかかわるトラブルを見ると、飼い主がしつけや周囲への配慮を怠ったために起きたと思われるものも少なくありません。その意味でも、このように飼育者組織を結成し、飼い方の自主規制を行ってもらうのも有効な方法といえるでしょう。